[7校目完成]プラソックレァック小学校贈呈式を行いました

「やくそくプロジェクト7」

7校目の「プラソックレアック小学校」新校舎が完成しました!

旧校舎の老朽化による撤去と幼稚園の開園で教室不足となり、トタンと木で囲われただけの脆弱で危険な「物置き場」での授業を余儀なくされていたプラソックレァック小学校の5、6年生。
( >> 詳しくはこちら )

「やくそく」プロジェクトによる新校舎建設が昨年9月に着工。
雨季のスタートにも関わらず工事は順調に進み、校舎は12月に無事完成しました。
校舎使用の緊急度が高かったため、完成後すぐ授業に使ってもらうことに。現地からは新校舎で嬉しそうに勉強する生徒の写真なども届いていました。

そして、2024年2月、新校舎の完成贈呈式に、代表 狩野 富をはじめ、おなじみ「やくそく」プロジェクトメンバー、そしてJHP学校をつくる会の方々と出席してきました。

今回も9月の着工式の時と同様に、ベトナムのホーチミンより陸路で国境の街モクバイへ、そこから国境を越えカンボジア側の国境の街バベットというルートで現地まで向かいます。

 

トッシー「今回はカンボジアに入る前にベトナムでお菓子を買い増します」

 

恒例の子どもたちに配るお菓子。毎回とても喜んでもらっていますが、今回、飛行機の預け荷物の制限で日本から持って行ける量が限られていたため、全員に充分に配るには少し足りないかもしれないので、国境越えの前のベトナムで買い増して行こうということに。


…が、しかし。

 

トッシー「うぁ〜、ここもやってない」

ミサエ「全然やってないね、お店」

 

我々が訪れた2月の初旬は、ベトナムの旧正月「テト」にあたり、ちょうどこの日は日本で言ったらお正月の三が日。日本ではやっているお店も多いですが、ベトナムではしっかり休むため、ここまでの旅路でも食事場所などで苦労していました。

街中を色々回って、ようやく大型スーパーを発見。

トッシー「やってる所があって良かった…」

2台の大型カートいっぱいにお菓子を詰め込んでいく我ら一行。
まさに爆買い状態!
他のお客さんたちが驚きの目で眺めています(笑)。

 

同じくらい(いや、それ以上)驚いたのがレジのスタッフの方々。バーコードチェックするだけでも一苦労。もちろん袋には入らないのでダンボールを用意してくれて、箱詰め手伝ってくれて、、大変お世話になりました。


兎にも角にも、苦労の甲斐あり、子どもたちに配るに充分な量のお菓子を準備することができました。

いざ、国境に向かって出発!

 

まっすー「あのさ…この量、車に積み切れるかな?」

一同「あ、、、」

(結局、なんとか積むことができました 汗)


――

国境は今回も問題なく通過できました。

でも何度通っても陸路の国境越えは独特の緊張感があります。お菓子のダンボールとか大量に持ってるし(笑)


国境を越えたあとは、カンボジア側の国境の街バベットで宿泊し、翌朝、学校へと出発。
いよいよ完成した校舎と子どもたちとの対面です。子どもたちとは昨年9月以来、約半年ぶりの再会です。

 

贈呈式も今回で7回目になりますが、いつも凛とした気持ちになります。
日本からはるばるやって来たということもありますが、それ以上に新たな校舎が完成することで、学校に地域にそして子どもたちの心に新たな命が吹き込まれるような感じがするからです―。

 

今回も彼らは私たちの到着を笑顔で待っていてくれました。

さぁ、プラソックレァック小学校の完成贈呈式の始まりです。


式典はまず僧侶の読経で始まり、続いて生徒たちによる元気いっぱいの校歌斉唱、そして挨拶と続いていきます。

私たちにとってはいつもの流れですが、子どもたちにとっては特別な一日。素敵な式典になるようメンバーも張り切ってそれぞれの任務に就きます。

 

今回の代表者スピーチはミサエです。

ミサエ「村民の皆さま、プラソックレァック小学校の先生、生徒、保護者の皆さま、おはようございます!」

 

本番までちょっと緊張した面持ちだったミサエの代表者スピーチが順調にスタート

 

…のはずが。。

ミサエ「今回の〜〜 ガピッ ガピッ!

 

ミサエ「あれっ?? 今回の〜〜 ガーッピ!ガピッ!

マイクの電池切れか、村民スタッフが電池を入替えてくれるも…

ミサエ「えーっと、、今回の〜〜 プツプツプツ


今回の〜

こんかいのぅ〜

コンカイのぅぅ

生徒、村民の皆さん大爆笑(笑)

 

ほっしー「ミサちゃんがんばって!( ´∀`) ゲラゲラ

ミサエ「もういいや!」

 

今回のぉぉぉ〜〜! しぃんこぉしゃ建設によりぃぃ〜


マイクを諦め、生声を張り上げるミサエ氏。
生徒、村民の皆さん大ウケでした(笑)

以降は(笑)式典も滞りなく進み、生徒による誓いの言葉、テープカット、そして新校舎に移っての文房具の贈呈などを行いました。

あちらこちらで子どもたちの歓声や笑顔が弾けます。

――

さて、今回の最大の支援理由となった、“危険な物置き場教室”はどうなったかというと…

新校舎完成でさすがに授業では使われなくなり、昼寝場所?になっていました(それはそれで危ないような…)

一方、新校舎はこんな感じ。

出来上がったばかりの校舎が青空に美しく映えていました。

 

ちなみに校舎の色やデザインは全国で統一されています。

壁面には1校目から共通のメッセージ


「この校舎は日本の多くの人たちの想いと支えによって建てることができました。

生徒の皆さん、夢を持って一生懸命に勉強してください」

  

「夢を持って一生懸命勉強してほしい」
これが発起人、狩野富の想いであり、「やくそく」プロジェクトメンバーの共通の想いです。

――

さぁ!最後は「やくそく」プロジェクト名物「お菓子配り」
冒頭でお話したように、今回は日本からのお菓子に加えて、ベトナムでたくさん買い増ししたお菓子を子どもたちだけでなく、先生、村民の皆さんから警備の方々にいたるまでその場にいた人たちほぼ全員に配ることができました!

 

トッシー「さぁ〜やるぞ〜! はいちゃんと並んでね〜」

 

まっすー「やっぱり楽しいね」

 

JHPミズノ「これはここに置いていいですか?」

今回も同行してくれた、「JHP学校をつくる会」のカンボジア駐在員の水野さんも一緒に配ってくれました。

水野さんは昨年よりJHPに入職され、カンボジア駐在のスタッフとして奮闘しています。
前職は学校の先生。柔道家でもあり、マジメで優しく力持ち!頼りになります。

ある程度配り終えたところで、ボス(狩野 富)がお菓子の残ったダンボールを一つを持って、子どもたちの方へ。


ボス「はい、まだあるぞ〜」

わぁ〜〜〜〜!!

言うが早いか、子どもたちが殺到

 

ボス「わかった、わかった! あげるからちょっと待て」

キャァ〜〜〜〜!!
すっかり取り囲まれるボス(笑)

 

ボス「ちょっと待て、コラ!ダンボールに手を突っ込むんじゃない! ほっしーコレ持って〜〜!」

 

お菓子は一瞬でなくなりましたとさ(笑)

――

話は少し変わりますが、今回のプラソックレァック小学校では悲しい出来事がありました。

それは新校舎の完成を誰よりも喜んでいた校長先生プロム・スィターン氏が持病の悪化で昨年末に急逝されたのです。

9月に私たちが初めて学校を訪れたときには笑顔で出迎えてくれました。

12月に贈呈式に先立って新校舎が完成し、「明日から児童がこの教室を使える」と会心の笑顔を見せていたとのこと。そのわずか20日後にこの世を去りました。

支援の誘致から懸命に活動されていたであろう校長を思うと胸が痛いですが、せめて新校舎の完成と生徒の喜ぶ顔を見届けられて、嬉しかったに違いありません。

プロム・スィターン校長の御冥福を心よりお祈りいたします。

最後に新校舎前で記念撮影です。

亡き校長先生の想いの分まで、ここで元気に楽しく、夢を持って学んで行ってほしいと思います。

 

 <了>


写真・文責:星野大起(やくそくプロジェクト事務局)